寒い時期に注意!ノロウイルスの食中毒と予防・対処法について
こんにちは!
ご覧いただきありがとうございます。
食品を扱う街の個人店、中小規模の工場へHACCP導入をゼロからサポートする専門家、
三村はるかです。
HACCPの導入・継続、日々の一般衛生管理の見直し・運用をサポートしています。
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皆さま大変ご無沙汰しております。
6月にHACCPが完全義務化となってから早半年・・・
HACCP導入、順調に進んでいますか??
おかげさまでSaniccpではご相談やHACCP導入サポートのお申し込みをいただくお店が増え、
衛生管理の意識が高まってきて嬉しいな!と思う日々を過ごしております。
衛生管理への意識が高まってきたところで、食中毒対策はしっかりとできていますか?
これからの時期、対策が必要な食中毒があるんです。
今回は、冬に気をつけたい食中毒とその対策をご紹介したいと思います。
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目次
冬本番!気をつけたい食中毒とは?
さて、季節もかわってすっかり寒くなってきましたね。
これからどんどん寒くなってくるこの時期・・・忘れてはいけないのが冬の食中毒の定番、
そう、ノロウイルスへの対策が必要な季節となりました。
(毎年恒例になりつつありますね・・・)
お気付きの方も多いと思いますが、
HACCP導入に必要な手引書を読んでみると、ほとんどの手引書でノロウイルス対策が必須となっています。
中には「重要管理点に設定して管理せよ」と記載されている業種もあります。
それほどまでに対策が必要なノロウイルス。
今年もしっかりと対策を行ない、ノロウイルスに負けない衛生環境をつくっていきましょう!
ノロウイルスってなに?
食品を扱うお店や工場ではほとんどの人が理解しているると思いますが、
改めておさらいしてみたいと思います。
◆ノロウイルス◆
症状:吐き気・嘔吐、下痢、腹痛
感染経路:経口感染
潜伏期間:12〜48時間
主な原因食品:貝類(二枚貝)、二次汚染された食品
予防方法:
・中心部まで十分に加熱する(中心温度85℃〜90℃で90秒)、
・二次汚染予防のためノロウイルス感染者は調理場業務に従事させない。など
このように定義されています。
***
二枚貝からの感染ももちろんあるので、生牡蠣等二枚貝の生食を提供するお店では注意が必要ですが、
牡蠣も自然なものなので100%お店側で防ぐのは難しいですよね。
(二枚貝を扱うお店でも加熱する場合は加熱時間で予防することができるので、HACCPの項目に入れて管理してもいいと思います!)
個人的には、二枚貝を扱うお店よりも扱わないお店の方が多いからか
これまでの様々な事例をみてみると、直接二枚貝を食べて発症するというよりも、
二次汚染された食品からの感染、または嘔吐処理の方法を誤ったことによる感染が多いように感じます。
ということで、今回は予防の対策がしやすい2大感染経路に注目して解説していきます!
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注意すべき、ノロウイルスの2大感染経路とは?
ここからは、食品を扱う現場で注意すべき感染経路を2つご紹介します。
対策をすることでノロウイルス予防ができますので参考にしてみてくださいね
二次汚染による感染
【予防方法1】衛生手洗いの実施
ノロウイルスに感染した人がトイレを使用した後に十分な衛生手洗いを行わず、
食品や調理器具等に触ると二次汚染につながります。
下痢・嘔吐症状が治まってもしばらくは腸にウイルスがいるため、
トイレ使用後十分な衛生手洗いを行わないと二次汚染してしまうのです。
ちなみに・・・ノロウイルスに限らず、大腸菌などの様々な菌やウイルスはトイレットペーパーを貫通して手に付着するとも言われています。十分な手洗いは必須です!
【予防方法2】食品の十分な加熱
ノロウイルスは加熱によって死滅します。
よって、食品の加熱はとても大切なポイントとなります。
食品の中心に温度計を差して、85℃〜90℃に達してから90秒間温度が下がらなければOKです。
中心温度を測る時は、食材の個体差や加熱のむらを考慮してください。
大きい食材と小さい食材が混ざっている場合は、火の通りにくい大きい食材で温度を測ります。
また、オーブンなど加熱温度が一定にならない調理器具を使用する場合は、温度が一番低いところ(オーブンであれば焦げ目がつきにくいところ)にある食材で温度を測ってください。
全ての食材の中心温度を測るわけにはいかないので、
火の通りにくいもの(や場所)で規定の温度まで達していれば、他の食材も規定の温度に達しているだろうという考えで管理してください。
※手引き書でノロウイルスについて管理を求められている場合、加熱の項目を取り入れるとHACCPで管理しやすいです。
【予防方法3】従業員の配置変更
ノロウイルスに感染した従業員を調理場の仕事につかないよう、配置を調整する方法もあります。
下痢や嘔吐の症状がある時は出勤を控えてもらい、
症状が落ち着いて仕事に戻った際も一定期間調理の仕事にはせずに、食品に触れない仕事に配置します。
従業員数やお店の形態によっては難しい方法ですが、
二次汚染のリスクが減るため、可能な場合は配置換えも考慮してもてはいかがでしょうか。
ノロウイルス感染者の下痢・嘔吐処理方法の誤りによる感染
その際に気をつけなければならないのが処理の方法です。
また下痢の対応としては、トイレの掃除も重要になります。
この項目では処理の方法と準備すべきおすすめの”ノロウイルスお片付けセット”をご紹介します。
【対策1】嘔吐処理の方法
お店の従業員やお客様が急に嘔吐してしまった!!といった経験ありませんか?
急に嘔吐の処理をすることになるととても動揺しますよね・・・
嘔吐物はとにかく処理方法が重要になりますので、詳しく解説していきます!
嘔吐物を目の前にしたら、、、
1)マスクと手袋、使い捨てエプロンを着用します。
2)キッチンペーパーを嘔吐物の上からかぶせて飛沫しないようにします。←特に重要!
3)その上から次亜塩素酸ナトリウムが入っている液体を振りかけます。←特に重要!
4)キッチンペーパーごと嘔吐物をゴミ袋へ入れます。
5)次亜塩を綺麗なキッチンペーパーに染み込ませながらふいていきます。
6)手袋を交換し、水で仕上げ拭きをして完了です。
ゴミは全てゴミ袋へ入れ、口を縛ります。二重にするとより安心です。
◆注意してほしいこと◆
①嘔吐物の処理中や処理後、水で流したくなりますが、決して流さないでください!
水で流すと、どんどん感染範囲が広まってしまいます。
必ず拭き取るように注意して処理してくださいね。
*番外編*
嘔吐に関する従業員教育として、食品工場などでトイレにすぐ行けない、または遠くてトイレまで間に合わないという時は、
ゴミ箱に顔を入れて嘔吐するように伝えておくといいと思います。
嘔吐の時に目に見えない嘔吐物が周りを汚染してしまうため、ゴミ箱に顔を入れることで飛沫を最小限にすることができるため、いざという時にはゴミ箱!と伝えておくといいですね。
【対策2】トイレの清掃のポイント
ノロウイルスの症状といえば下痢の症状も忘れてはいけません。
こちらはトイレ清掃で対策をしていきましょう!
ノロウイルスはアルコール消毒が効かないため、次亜塩素酸ナトリウムでの消毒がおすすめです。
一通りトイレ掃除が終わったら、次亜塩素酸ナトリウムが入っている液体で拭き掃除をします。
便器の他にもトイレのふたやドアノブなど人が触れるところは忘れずに行なってください。
そうすることでトイレに残ったウイルスも死滅し、事前に予防することができます。
では、消毒に適した次亜塩素酸ナトリウムの溶液濃度をお伝えします。
水1リットルに対して次亜塩5mlです。
あらかじめ作成した溶液をトイレ掃除の最後にペーパーに浸し、拭き掃除してください。
次亜塩素酸ナトリウムによる変色や臭いが気になる場合は、さらに水拭きをするといいでしょう。
※次亜塩素酸ナトリウムを使用する際は、
酸性の洗剤と絶対に混ぜないようにしてください!
有毒ガスが発生してしまいとても危険なので要注意です。
【対策3】おすすめ!ノロウイルスお片付けセットを準備しよう
いざ!というときにすぐに対応できるよう、事前にノロウイルスお片付けセットを準備しておくと安心です。
お客様た従業員が嘔吐してしまったら慌てずにこのセットを持って対応しましょう!
◆ノロウイルスお片付けセットの内容◆
必要なものは、
・大きいゴミ袋2枚
・マスク
・使い捨ての手袋
・使い捨てのエプロン
・キッチンペーパー
・次亜塩素酸ナトリウムが入っている液体(キッチンハイターなど)
※希釈した溶液でもOKです。その場合、
水1リットルに対して次亜塩20mlが適量となります。
あらかじめ希釈溶液を準備できればベストですが、1度希釈してしまうと日持ちがしません。
よってキットには原液を入れておくとよいでしょう。
これらをバケツに入れてすぐ取り出せる場所に用意しておきましょう。
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ノロウイルス対策のまとめ
以上、冬に気をつけたい食中毒として、ノロウイルスの対策と対処方法について詳しくお伝えしました!
食中毒予防の基本は、
持ち込まない・つけない・やっつける・広げない
この4つが守りながら、工場やお店でやりやすい方法を取り入れてもらえたらと思います。
その時の参考にこのブログが役立てたら嬉しいです。
***
年末年始、胃腸炎で大変だったー!という話をよく耳にします。
その中にはノロウイルスも含まれているかも・・・
下痢・嘔吐の症状がでてもノロウイルスかどうか、確実にはわからないんですよね・・・
とはいえ、胃腸炎でもノロウイルスでも対処法は同じです。
今回お伝えした方法で予防と発症後の対応を行なってみてください!
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